東松山市 岩鼻運動公園(陸上競技場側)

場所:岩鼻運動公園 陸上競技場側(埼玉県東松山市松山1481)

日時:2014年7月 3日(木) 13時00分~16時00分

   2014年7月16日(水) 13時00分~13時00分

天気:2014年7月 3日 晴れ 南東の風3m

   2014年7月 3日 晴れ 南東の風2m

方法:移動測定(徒歩)、地上50cm高、定点測定(60秒間の平均)50cm高、5cm高

機器:ホットスポットファインダー(ポニー工業)Csl(TI)+半導体型光検出器MPPC

   ※7月25日再訪のレポートを末尾に追加しました。

《 移動測定 平均空間線量 0.045μSv/h 》

 放射性廃棄物不法投棄事件が、新聞やTVで報道されました。

 私はその第一発見者でしたが、発見後は東松山子どもを守る会のメンバーが対応しました。東松山市は迅速に対応、通報の翌日には除染が完了しました。

 上のマップは、除染後の公園です。「他にも投棄されているのでは」という心配の声もありましたが、私が歩いた範囲では、そうした場所はありませんでした。移動測定の平均は0.045μSv/h。これはかなり低い空間線量と言えます。

《定点測定》

1,2はともに遊歩道沿いの施設で、空間線量も非常に低いレベルでした。

 写真3が今回の測定のメインポイントでした。写真4はアスファルト舗装の遊歩道、0.06μSv/hは埼玉県北部のアスファルト道路の平均で、どこに行っても同じよう値です。

 写真6は公園の南側の雑木林の中、遊歩道から外れた部分です。落ち葉が厚く降り積もっております。こうした部分も10mメッシュを意識して測定しました。今回の不法投棄の現場は、この過程で発見したものです。その2ヶ所を除けば、写真6のように雑木林の中はどこも0.04μSv/h前後でした。

《 放射性廃棄物不法投棄の発見について 》

 私がHSFで発見した不法投棄の場所は2ヶ所です。上の写真は7月16日に測定した除染後の空間線量です。2ヶ所は5mくらい離れていて、そこから東松山市が除去した汚染物の合計は約1立方メートルだそうです。(サイズは分かりませんが、現場を見ていた人の話によると、60袋で2立方メートルくらいだという情報もあります。)

 右の写真は7月3日、発見時の状態です。一方は落ち葉に埋もれていて、もう一方は白っぽい土がむき出しになっていました。私の測定では地表5cm高で、落ち葉に埋もれた方が0.3μSv/h、むき出しの方が0.9μSv/hでした。(新聞報道は1.5μSv/hーホリバ直置き)

 発見後、私は同行の東松山子どもを守る会のメンバーに連絡、メンバーはすぐに市役所に通報し、さらには報道機関、その後警察にも通報したそうです。しばらくして、公園管理を委託されている公社の職員がやってきて、持参のホリバで放射線量を確認しました。市役所の職員はとうとう来ませんでしたが、私たちはそれで、一旦その場を離れました。

 

 以下は私の想像で、確定した事実ではありません。

 状況から判断すると、投棄されたのは薪ストーブなどの燃焼灰かもしれません。

 薪ストーブの薪は2年間乾燥させるのがベストだと聞きます。また、薪のセシウムは灰になると、200倍以上に濃縮されるといいます。

 2ヶ所のうち、一方は2010~2011年の薪の燃焼灰が去年の春に投棄され、もう一方は2011~2012年の薪の燃焼灰が今年の春に投棄されたのではないでしょうか。今年の冬に燃やした薪のほうが、多くのセシウムを含んでいます。それで、2ヶ所の空間線量の差にも説明がつきます。

 しかし、雨樋の下や排水路に溜まった汚染土の可能性も否定できません。

 東松山市の市民が、投棄物の成分の公開を求めていますが、市役所からも警察からも、まだ発表はありません。

《 駐車場わきのマイクロホットスポット 》

 7月16日 除染後の再測定をするために公園を訪れました。駐車場から公園への通路を歩いていると、HSFが高い放射線を感知、ブザーが鳴りました。定点測定の結果、国の除染基準を超える値でしたので、東松山市に通報しました。

 市役所からは、即日測定し除染したとの連絡を受けました。歩道の縁石わきの溜まり土が原因です。

 左の図はHSFの画面キャプチャーで5cm高の数値です。

 岩鼻公園の陸上競技場側は測定しましたが、野球場側は測定していません。ここは東松山市の詳しい調査が望まれます。

《7月25日 岩鼻運動公園再訪》

 7月25日午後、岩鼻運度公園を再び訪れました。16日に見つけたマイクロホットスポットの再測定と、不法投棄現場の西側の測定抜けの場所を測るためです。

 16日残りの測定を終えて、データを処理してみたら、投棄現場の西側がすっぽりと抜けていました。

 25日の測定では、不法投棄の現場の隣ですが、線量はいたって低く、0.04~0.06μSv/hの範囲に収まりました。

 左上の写真は放射性廃棄物の埋立地です。公園のはずれの人の来ない場所に埋められ、周りは縄が張られ、立ち入り禁止の札もありました。周囲を測定しましたが、その低いこと、0.03μSv/h前後、掘り出した土が回りに撒かれていて、それで3.11以前のような低い線量になっているのでしょう。ここには3日と16日分の両方が埋められているそうです。

 右上は、野球場側の駐車場のそばのマイクロホットポットの25日現在の状況です。溜まった土は掃除したそうですが、まだ若干残っていました。ここは水が溜まる所なので、16日以降の大雨で、再び土が集まってきたことも考えられます。

 

 仮置き場の位置、周りの線量です。拡大してご覧ください。

《不法投棄事件のその後》

 市役所にも警察にも私の「撒きストーブ燃焼灰説」は伝わっているのですが、まだ何の連絡もありません。

 

 いずれにせよ、福島から200kmも離れて、関東では比較的汚染が小さかったと言われる埼玉北部ですが、事故から3年たっても、このような形でホットスポットが存在する現実は忘れてはならないと思います。

 セシウム137の半減期は30年、これから先はずーと同じような汚染状況が続くでしょう。そして、風雨で移動するセシウムは、だんだん特定の場所に濃縮されていき、このような形で思いもよらない場所にマイクロホットスポットが出現するわけです。