東松山市 こども動物園

測定日時:2014年7月19日(土) 10時00分~15時00分

     2014年7月25日(金) 10時00分~12時00分

測定場所:県立こども動物園(埼玉県東松山市岩殿554)

天  気:7月19日 曇り 東の風1m ・ 7月25日 晴れ 南東の風1m

測定方法:地上高50cmを歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定

測定機器:ポニー工業 GPS連動型空間線量率自動記録システム(HSF-1)

《 移動測定 平均空間放射線量 0.051μSv/h 》

 今回は、三芳町のHさんが測定に参加、HSFを持って測定の大半を歩いてもらいました。Hさんには小さなお子さんがいて、去年まではこの動物園をよく訪れていたそうで、測定プランもHさんにお願いました。

 移動測定の平均は0.051μSv/hです。測定ポイントの最大は 0.131μSv/h、最小は 0.025μSv/hでした。

 地図中のは0.1μSv/h以上ですが、これらはすべて石材からの自然放射線です。

 空間線量が、「石材部分>ゴムウレタン部分>アスファルト舗装>草地>土>木道」の順に低くなりました。

・仲良し広場~レッサーパンダ舎の詳細

・こどもの城~恐竜コーナーの詳細

・じゃぶじゃぶ池周辺の詳細

・東広場 アスレチックコーナー、カンガルー広場 周辺の詳細

《 定点測定 》

 写真1は、展示搾乳場の前、ブロック素材の敷石とアスファルトの境で、排水路となっています。写真2は土とアスファルトの境で傾斜地の下です。

 いずれの場所も、水が溜まりそうな場所ですが、清掃がしっかりされているせいでしょうか、心配な値は計測されませんでした。

 写真3はペンギンヒルズの入口付近で、水槽の中を泳ぐペンギンがみえます。ここはコンクリートの上にウレタンゴム系の塗料が施されていて、その部分だけが若干ですが高い線量が計測されました。ウレタンゴムの塗装面はここに限らず、アスファルトよりは若干高めの数値(0.02μSv/h程度)が計測されます。

 写真4のようにペンギンヒルズ場内は、どこも0.05μSv/h以下でした。ペンギンプールでは、なんとペンギンがイルカのように水面を飛んでいました!

 写真5は「こどもの城」へ続く石の橋です。全体が石張りです。左図は測定時の簡易放射線核種の分析グラフですが、セシウムは天然放射線核種に埋もれて見えません。よって、この数値は自然放射線の影響によるものと判断できます。

(セシウム134は604、796keV付近、セシウム137は662keV付近に山が見える)

 写真6は「こどもの城」の正面、アスファルト舗装です。アスファルト部分は、どこでも0.06μSv/h前後になります。 

 

 こどもの城の入口付近にある広場で、遊具のそばにリアルな野ウサギの置物が2体置かれていました。よく見ようと近づくと、いきなり動きだしました。なんと、園内で放し飼いされているマーラという動物でした。

 写真7の恐竜は置物です。本物ではありません。ここは芝生と土で、どこも低い値でした。

 写真8は、じゃぶじゃぶ池の水ぎわ、プールサイドみたいな場所です。左はコンクリート面、右はゴムウレタン舗装した部分です。先ほどのペンギンヒルズの入口付近とおなじで、0.02Sv/h程度高い数値となります。右は測定時の簡易放射線核種の分析グラフですが、ここでは、それがはっきりとセシウムであることが分かります。ゴムウレタンのスキマに入ったセシウムはしっかりと固着されていて、移動しづらいものと思われます。

 

 写真9は「キリン舎」の前の道です。ここはアスファルト舗装です。こども動物園内のアスファルト道路の平均的な空間線量です。30年ぶりの再会です。私の記憶に残るこども動物園は、こどもといっしょに見たキリンだけです。

 写真10アスレチック広場、ここの50cm高の平均線量はどこも0.05μSv/h以下です。高低の多い場所で、水の溜まりやすい低い場所では、それよりも若干高い数値が計測されました。

 写真11は、アスレチック広場の隣のピクニック広場。全面芝生ですが、測定ポイントは土です。芝生面も同じような空間線量です。ここでも、置物のようなマーラがいました。人が1mくらい近づくとその場を動きます。

 

《 まとめ 》

 全体として平均0.051μSv/hは、熊谷市のモニタリングポストよりも0.01μSv/h低い値です。東松山周辺の地域では、石、アスファルト、コンクリートなど人工物の方がわずかに高い数値なり、人の手が加わっていない自然の状態の場所や土、芝生面が低くなるという傾向があります。

 みかげ石の敷石→ゴムウレタン舗装→アスファルト→コンクリートやブロック材→芝生→土の順にその場の空間線量が下がっていきます。

 また、アスファルト舗装の広い駐車場の隅やアスファルト道路の路肩のたまり土で高い放射線を計測することがよくありますが、「こども動物園」は比較的清掃がしっかりされており、測定した範囲内で心配になるような場所はありませんでした。

 なお、自然放射線に関しては、さまざまな考え方がありますが、外部被ばくに関しては、人工放射線となんの区別もありません。