長瀞町 宝登山~長瀞岩畳

測定日時:長瀞駅~宝登山 2014年9月4日 13時00分~16時30分

       岩畳~博物館 2014年4月21日 10時00分~12時00分

測定場所:宝登山・長瀞岩畳(埼玉県秩父郡長瀞町長瀞)

天  気:9月4日 曇り 北の風1m ・ 4月21日 曇り 北西の風1~2m

測定方法:地上高50cmを歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定

測定機器:ポニー工業 GPS連動型空間線量率自動記録システム(HSF-1)

《 宝登山はクールスッポット 宝登山全体平均0.039μSv/h(参道を除く) 》

 放射能見える化プロジェクト第4弾の手始めに、長瀞町宝登山を測定し、4月21日に測定した長瀞岩畳の移動測定データと合わせてmap化しました。1~8の定点測定は9月4日のデータです。

 測定は国道140号、長瀞駅交差点からスタート、宝登山神社に向かって、参道を歩きはじめました。すると、最初からいきなり警告音。0.1μSv/h以上で鳴るようにセットしています。歩道にはみかげ石が敷き詰められていました。上の地図では上り下りともに色です。

 この参道を含めた宝登山全体の移動測定の平均値は0.049μSv/hです。

 なお、地図中の測定ポイントの表示は実際のポイント数の1/10に編集しました。全部表示すると色の違いが分からなくなるためです。

 写真1は宝登山神社の入口の案内地図の前です。みかげ石の歩道とアスファルトの車道を比較するために測定してみました。その差0.06μSv/h(以下単位省略)です。左の図は0.111の簡易的な核種分析のスペクトルです。原発事故由来の放射線だけなら部分にセシウムの山があらわれるのですが、ここではそれが見えず、自然放射線の中に埋もれています。下のグラフは今年の夏、福島県で測定したグラフです。セシウムの山がはっきりとみえます。

 この後、宝登山神社をぐるりと測定して、そこから写真2のケーブルカー麓駅まで歩きました。麓駅前はブロック素材が敷き詰められています。このあたりはどこもだいたい0.05前後でした。

 麓駅からケーブルカーに乗って山頂駅に向かいました。その間、車内の平均値は0.019でした。

 写真3は山頂駅、予想通り麓より低くなりました。山頂駅の裏の展望エリアからの眺めは、あいにく曇りでぼんやりと遠くの山並が見えるだけ。ここで少し休憩してから宝登山頂に向かって山道を歩きました。山道の線量は低く平均で0.031。

 写真4は山頂の三角点での測定です。驚異的な低線量です。4月21日には岩畳の緑の岩の上で0.02台を計測し、それがこれまでの最低だったのですが、ここでは、その半分の線量です。福島原発事故から3年半、雨風でここに降ったセシウムは完璧に洗い流されたのでしょうか。

 ここから、小動物園の入口まで歩きました。平均値は0.039。さらに麓を目指して徒歩で下山しました。平均0.036.

 歩きながら、そもそも長瀞に降ったセシウムは非常に少なかったような気がしてきました。麓までの長い道のりの中、高い値を計測することもなく、この山で遊んでいる限り、関東の子どもでさえ、保養になると思えました。

《 岩畳 自然放射線の影響が大きいようだが、緑の岩はチョー低線量 》

 長瀞駅を経て、岩畳まで降りてきました。ここは4月21日に測定しており、今回は定点測定と放射線核種のスペクトルを取りました。

 写真5は長瀞岩畳の川岸です。岩ではなく小砂利です。水辺は0.05、とても低い線量ですが、宝登山から降りてきたばかりなので、それほど低く感じられません。

 写真6は写真5のすぐそばなのですが、岩が迫っているせいか、少し高い線量です。簡易放射線核種分析のスペクトルを見ても、セシウムの山は見えませんので、自然放射線の影響だと思われます。

 国道140号線、長瀞駅の交差点以南の移動測定の平均は0.062です。宝登山に比べると若干高めです。自然放射線の影響の他、やはり最も低い土地ですから、3年の間に雨風によって、周囲の山から流れ落ちてきた放射性物質の影響も考えられます。

 写真7は川岸の岩畳、階段状に高くなっているところで、観光客もここを歩きます。ここの空間線量はけっこう高く、どこも0.1前後です。岩の部分、土のたまった部分も同じようです。

 写真8も岩の上ですが、高い岩畳の裏がわの低い岩畳です。中に水たまりもあって、橋も架かっています。草もボーボーで人もあまり歩かない所なのですが、ここの空間線量はとても低い空間線量です。特に写真8の緑の岩(名称は不明)の上は、福島原発事故前の空間線量です。

 写真7と写真8は至近距離です。違いは岩の色、おそらく岩の種類が違うのでしょう。コチラについてはまだ、調べていません。双方のスペクトルグラフをみても、セシウムの存在ははっきりしませんが、0.024の方でぼんやりセシウムが見えるような気もします。次回、長時間測定を試みる予定です。

《 まとめ 》

・宝登山はクールスポット 今回歩いて測定した範囲では、安心スポットという印象です。特に山頂の0.01台は特筆モノ。今後もこれほど低い空間線量を測定することはないだろうと思います。

 

・参道に敷かれたみかげ石は残念です。見た目は立派なのですが、自然放射線といえども無用な被ばくは避けたいものです。

 

・長瀞岩畳も宝登山同様、福島第一原発事故由来の人工放射能(セシウム)の影響は小さい場所と思われます。

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    jin (日曜日, 14 9月 2014 01:37)

    長瀞の岩畳は結晶片岩ですよね。花崗岩ほどではないですが、放射線は出ているんですね。