測定日時:2014年9月10日 9時30分~17時45分
測定場所:秩父ミューズパーク(埼玉県秩父市別所、久那、寺尾、田村 小鹿野町長留)
天 気:曇り 北東~南東の風1m
測定方法:地上高50cmを歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定
自動車道路と駐車場の一部は車載測定、スカイロードはスカイトレイン
測定機器:ポニー工業 GPS連動型空間線量率自動記録システム(HSF-1)
今回は「原発止めよう秩父人」の協力のもと、秩父ミューズパークを測定しました。1日で公園全体を測定することは不可能ですので、子どもが遊ぶ場所を中心に測定しています。移動測定の平均は0.055μSv/h(以下単位省略)で、埼玉北部の平均的な空間放射線量でした。
上の地図中の1~16のエリア中、任意の1地点で、50cm高、地表付近の空間線量を測定しました。高い数値もありますが、これがエリアの平均的な場所というわけではありません。また、HSFの平均値測定の規定時間は15秒ですが、60秒間測定して平均値を求めています。
写真1は音楽寺の境内、細かい砂利が敷かれていましたが、かなり低めの数値です。このあと、十三賢人像まで上り、そこからミューズパーク内の森の道を抜けて、ピクニック広場までを測定しました。特に気になる場所はありませんでした。
写真2はわんぱく広場・希望の丘の巨大スベリ台です。園内をくまなく測定しましたが、平均で0.048です。展望スベリ台の土台部分にみかげ石が敷かれていて、そこだけが自然放射線の影響で高めの値となりました。(地図中の黄色のポイント)
写真10はミューズの泉の西にある拠点広場の入口付近のアスファルト道路です。坂の下になっているためか、若干高い線量です。草地は0.05以下でしたが、アスファルトの道、休憩所の裏などは0.06~0.08となりました。
写真11はトンボ池、全体が土と草地です。池の回りも若干じめじめしています。ここはどこも同じような空間線量でした。足元が悪い場所が多く、小さな子どもには、そのほうが心配です。
写真5は音楽堂の入口です。床面全体が素焼き風のレンガ敷きとなっています。この素焼き風のレンガは、耐火煉瓦とともに、よく高い放射線が計測されます。赤レンガで計測することはないので、材質の問題と思われます。
写真6はパルテノンの前、スカイロードと同じ材質の石材(コンクリート系タイル?)の上です。ここも自然放射線の影響だと思われます。パルテノンを含むミューズの泉全体は石材がふんだんに使われていますが、線量の高い場所はありませんでした。
写真12はスポーツセンターハウスの前です。アスファルト舗装全体が老朽化しており、あちこちがひび割れていました。通常のアスファル舗装に比べ、水の流れが悪く、セシウムが集まっているものと思われます。特に小さい子どもの有料遊具の周りが高いので気になります。
写真14は「昆虫の森」の遊歩道脇です。土の道ですが、道に高低の起伏があります。この部分は周囲よりも低く、水の溜まりやすい所です。周囲から流れてきたセシウムが集まって濃縮されたものと思われます。線量が高いのはこの部分だけで1mも離れれば半分以下の線量になります。セシウムが風雨で移動することの典型的な例です。
写真15は、2012年に小鹿野「私達の未来測定所」が高線量の黒い粉を発見した現場です。発見者の田島さんにも同行してもらいました。現在も同様の黒い粉があります。似た黒い汚れはスカイロードの道端にたくさんあり、やはり若干高い空間線量が測定されました。これもまた、風雨で吹き寄せられてくる汚染土のようです。
今回測定した範囲については、
秩父ミューズパークの空間線量は、熊谷市・深谷市の公園と同じです。
線量の高低の幅が若干あるようですが、これは地形の複雑さのためと思われます。
セシウムは風雨によって、高い所から低い所に移動します。
はじめて訪れたミューズパークでしたが、「原発止めよう秩父人」のメンバーのおかげで、この広大な公園を1日で測定することができました。協力ありがとうとございました。
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