蓮田市 黒浜小学校

測定日時:2014 年11 月13 日(木) 12 時30 分~ 14 時30 分

測定場所:蓮田市立黒浜小学校(蓮田市大字黒浜3069)

天  気:晴れ 北西の風2m ~ 4m

測定器 :HSF-1( シンチレーション・ポニー工業製)  

測定方法:地上高50cm を歩行による移動測定、地上高50cm、地表付近の定点測定

《 公立小学校を測定 》

  蓮田市の小学生のお母さんからの依頼で市立黒浜小学校を測定しました。依頼者は教育委員会と学校長の許可をとり、さらに測定結果をネットで公開することの了解も得ました。蓮田市の市民に対するオープンな姿勢はすばらしいと思います。

《移動測定 校内の平均線量0.054μSv/h》

 右の写真は、蓮田市が毎月実施している測定ポイントでの測定の結果です。右下の表は、蓮田市の公表値です。蓮田市の測定器は放射線サーベイメーターRDS30 でガイカー管式ですが、当会のHSF-1 はシンチレーション式です。ガイカー管放射線計は、シンチレーション放射線計に比べて、やや高い数値を示す傾向にあり、今回の測定でも、同じポイントで測定し、0.03 ~0.05μSv/h 程度の違いが出ました。

 蓮田市にいちばん近い国のモニタリングポストは加須市にあります。

 現在の公表値が月平均で0.052μSv/h(1m高)ですので、HSFの測定値がより現実的な値だと思われます。

 左の表は、学校をABC に区分したそれぞれの移動測定の平均値です。Dは学校の周りの公道を一周した平均値です。全体的にはCエリアが少し高めです。ここは校舎の裏で水はけの悪いところも多くありました。また、学校北側に面した公道は土地そのものが低くなっています。(公道上のポイント)

 

《定点測定》

 移動測定をしながら、お母さんの求めに応じて、10箇所で定点測定をしました。いずれも子どもがよく立ち入る場所です。

 右の地図上に数字で示した地点で地上高50cm、地表付近をそれぞれ60秒間測定しました。

写真1は、上の記事をご覧ください。

写真2は砂場。校庭中央より線量が少し高いのは、校庭が東方面にわずかに傾斜していることも関係しているかもしれません。

写真3は、校庭の中では、線量がいちばん高いポイントでした。土地も低く、草も生えています。雨水がたまりやすい場所のようです。

写真4はブランコの下で、土もけずられていますが、とても低い線量でした。

写真5 学校の北門の脇、落ち葉が積もっていました。学校の北面公道も含めて、このラインは黒浜小学校の中では比較的線量が高い場所です。

写真6は、体育館と校舎の間、落ち葉が積もる場所です。西隣の花壇、菜園の中は、耕してあるせいか、とても低い線量でした。

写真7は3.11の原発事故の後に除染をした場所、やはり雨樋の下は高めです。3ヶ所ある雨樋ですが、どこも同じような数値でした。

写真8は昇降口。子どもが出入りする場所だということで測定しました。

写真9は、刈り草置き場です。同行のお母さんがいちばん心配していた場所ですが、測定してみると、非常に低く、ひと安心です。

写真10は、ドカンの中。お母さんの強い要望で、もぐりました。中は1/3くらいが土で、だんだん出口が狭くなってます。最後は出られるか、どうかハラハラしました。測定値は0.04~0.06の間、ドカンの外と同じでした(笑)

《まとめ》

 全体的な空間線量は埼玉県内の平均的な値だと思われます。かなり細かく測定しましたが、除染が必要だと思われる場所もありませんでした。

 

 一般に学校には、校舎と付属施設、樹木や植え込み、遊具、運動場とさまざまなものがあります。さらに土地の高低もあります。構造物や地形が複雑な分だけ、風雨による移動で、セシウムが濃縮される場所と少なくなる場所とが生じるものと考えられます。

 

 測定依頼のお母さんは、今回の測定結果を黒浜小学校の校長に結果報告したそうです。1時間ほどの面会の中で「この辺りは高めなので子ども達に清掃させないでほしい」などとお願いもし、校長も好意的に話を聞いてくれたとのことです。

 

 公立の学校施設を許可をとって測定したのは初めてです。しかも公開OKです。(私立は自由の森学園を測定済み)教育委員会に赴き、測定を願い出たお母さんもすばらしい。それを快く許可してくれた蓮田市教育委員会、ならびに蓮田市立高浜小学校の姿勢もすばらしいと思います。