さいたま市南区 別所沼公園

測定日:2016416日(金)11:0013:00 晴れ  北北西の風 7.3m

測定地:別所沼公園(さいたま市南区別所4-12-10)

測定方法:地上高5cm を歩行による移動測定、地上高5cm50cmの定点測定

 

1.移動測定 平均空間線量 0.047μSv/h

埼京線中浦和駅から徒歩5分程度、別所沼を囲むように作られた公園です。北西の角には宿泊や食事のできる別所沼会館があります。県庁方面からだと高砂の住宅地を通り少し下った所で、住宅地の中にあることなどからか、利用者も多く、様々な用途で使われているようです。南側から県道を跨いで遊歩道が武蔵浦和駅まで延び、春には西南桜の並木道として賑わいます。この日も、幼稚園や保育園の野外活動、池を囲む釣り人たち、児童遊具広場のファミリーそして何かの大会かジョギングしている人たちと、大勢の人たちが利用していました。この時期は桜も終わりメタセコイアの巨木に若葉がつき始め、改めてメタセコイアの公園と認識しました。この公園のトピックは、かいぼりとやなせたかしさんデザインの浦和のうなこちゃん石像の盗難です。

 

 

全体的には、福島原発事故から5年経過した時点での平均的な線量といえる思います。公園内に管理事務所もあり良く整備・清掃されています。

  

  ①内周      0.050μSv/h

  ②トリムコース等 0.044μSv/h

   ③多目的西広場  0.048μSv/h

   ④子ども遊具広場 0.034μSv/h

  ⑤公園事務所周辺 0.048μSv/h

 

2.定点測定(60秒の平均値)

北側に広い子ども遊具広場があります。遊具が豊富で小さなお子さんたちがたくさん遊んでいました。オーソドックスなブランコやすべり台からユニバーサル遊具、ロープウエイなどまで充実してあり人気がうなずけます。空間線量は低くお子さんを心配なく遊ばせることができると思います。

この公園には、テント張りの広場があります。その近くにそのテント屋根を模したようなトイレが2つあります。この2つとも雨は屋根から雨水管を通り排水されるのですが、残念なことに地上付近で垂れ流しになります。典型的に放射性核種の濃縮が起こる構造です。2つとも比較的高い値を示しました。

池の西に多目的広場が2つあります。南側は地面が土、北側は、白い砕石が混じった砂がうっすらと撒かれているツートーンの広場です。土の方は、制服の幼稚園児がなんとすべて英語で野外学習しており、白い方は、台車に乗せられてやってきた保育園児たちが遊んでいました。土の方の放射線量は子ども遊具広場と変わりませんでした。ここでは、白い砕石が気になるので定点測定をしました。心配レベルではありませんが、少し高めの値でした。

多目的広場から橋で小さな島に渡ると辨天神社があります。きれいに清掃されていますが、メタセコイアの枯葉が掃きだまりにされている箇所も多く、気になりましたので定点観測しました。枯葉からはそれほど高い値は計測されませんでした。この島へ渡る橋のところに盗難された石像の台座があります。

このところの公園計測でチェックしているのは、さらわれた土砂の処分方法です。よく見かけるのは植栽下などへの廃棄ですが、ここは腐葉土として土を作っているようです。やはり若干高い値を示しました。ただ丁寧に説明しています。「2014.45、沼泥 古落葉」と。しかし福島以降の世界に住んでいるという自覚を持ってもらいたいものです。下のスペクトルを見ると福島由来の放射性核種セシウム137がはっきり確認できます。

 

 

3.まとめ

 

旧浦和市を代表する公園の1つです。幼い子たちから老人まで、利用者も多く市民憩いの場所です。最近かいぼりもされ池もきれいになっています。同じような時期に行われた東京の石神井池に比べて自転車などの不法投棄も少なかったそうです。清掃も行き届いており心配なくお子さんたちを遊ばせることができます。ただ定点測定でも指摘したように、放射性核種は消えたわけではありませんので、濃縮の見られる場所もあります。そういった所にはお子さんたちを近づけさせないようにしたいものです。(吉田)